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鍵直樹教授が令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞

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2022.06.06

鍵直樹教授(建築学コース 主担当)が、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めたとして、令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(科学技術進行部門)を受賞しました。文部科学省が4月8日、発表しました。表彰式は4月20日、文部科学省(東京都千代田区)で行われました。

科学技術賞(科学技術振興部門)は、科学技術の振興に寄与する活動を行った者が対象です。令和4年度は7件(23名)が受賞しました。

東京工業大学では、鍵直樹教授を含む12名の関係者が令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞しました。受賞者の詳細については、東工大ニュース:「東工大関係者12名が令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞」別窓をご覧ください。

科学技術賞(科学技術振興部門)

鍵直樹 環境・社会理工学院 建築学系 教授

受賞業績:富岳シミュレーションによる飛沫感染理解と拡大防止への貢献

鍵教授

鍵教授

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症において、当初は一般社会での感染防止に対する科学的理解や行政機関における感染拡大防止策の策定に必要な科学的データが欠如していました。特に飛沫及び飛沫核の吸引に伴う感染に対しては、建築室内における現象の解明と効果的かつ簡便な感染リスク低減対策の有効性の検証が著しく欠如していました。
そこで本研究グループでは、機械工学、建築学の専門家により、スーパーコンピュータ「富岳」を用いて、室内環境でのウイルス飛沫の挙動、感染リスク評価方法を構築し、更に実環境における実験的な検討も加えることにより、実現可能な低減対策の提案を行っております。シミュレーション結果により直感的かつわかりやすく可視化することで、一般社会に対して飛沫感染への理解と、マスクや換気といった感染リスク低減策の重要性を示すことに貢献しております。
本研究グループは、感染症の拡大の防止に向けて、新型コロナウイルス感染症が拡大する最中、急遽、異分野の研究者と技術者が集まり、時々刻々集まってくる医学的知見をベースに、工学的な観点からアプローチしたものであります。また、いかに素早く正確な情報を発信するか、直感的で分かりやすい表現であるものの誤解を生じることがないか、実現可能な対策を提案ができているかなど、週1回のオンラインミーティングにより濃密に議論してきました。研究者として、研究結果の公表だけではなく、一般社会へと最新の知見を浸透させていくかを考え続けており、まだ達成はできておりません。今後は、ポストコロナ、ネクストコロナに向けて、一般的な対処方法だけではなく、新たな建築環境の提案に取り組んで参りたいと思っております。最後に本成果は、多くの共同研究者によって成し得たものであり、この場を借りて関係諸氏・関係機関に深く感謝いたします。

富岳を用いた飛沫拡散モデルシミュレーションと我が国の感染者数の推移

富岳を用いた飛沫拡散モデルシミュレーションと我が国の感染者数の推移

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