未来

駅がかわることで、街とひとを元気にする

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
事業創造本部

長嵐 陽子 さん

長嵐 陽子さん

現在の仕事について教えてください。
現在は育児休職中ですが、休職前は「駅を中心とした魅力ある街づくり」に向け、駅ビルやエキナカなどの開発業務を担当していました。駅ごとに特色が異なるため、お客さまのニーズを捉えた開発コンセプトを構築し、適切な業種業態、ボリュームの検討をして、プロジェクトを推進します。「どうすればもっと多くの方にご利用いただける施設になるか」ということを考えて、現地に何度も足を運ぶようにしています。開業後に、ターゲットとして想定していたお客さまが実際にご利用いただいていたり、駅が変わることで街の雰囲気がより活性化している様子を感じられたりすると、ディベロッパーの道を選んで良かったと改めて思います。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
私にとって魅力ある開発の一つに「独自性」が挙げられます。街の特色を活かした独自性がないと、どの駅でも似たような開発になり、魅力が埋没してしまうからです。仕事で開発コンセプトに行き詰まったときは、改めて街の特色は何なのか考えるようにしています。大学時代の授業や研究室で、中心市街地活性化プラン作成に取り組んだ際、文化や歴史、特産品など、その街が持っている資産を丁寧に掘り起こしていくことで、「どの街にも他とは違う特色がある」ことに気付くことができました。大学では都市計画やランドスケープ、景観など街づくりの基本的な勉強ができたほか、仕事をする上で軸となる部分を気付けたことは大きな糧となっています。
今後の目標を教えてください。
JR東日本には約1700の駅があり、ターミナル駅を中心に開発プロジェクトを推進していますが、ポテンシャルが活かしきれていない駅も数多くあります。現状のニーズに応えるだけでなく、その街が持っている特有の資産(歴史など)を引き継ぎながらも新たなニーズを掘り起こして、ディベロッパーとして街の活性化に資するようなプロジェクトを推進して、ひとりでも多くの方に「この駅に行きたい」「この街に住んでみたい」と思っていただけるような、駅やサービスを提供していきたいです。そのためには地域と連携することも重要だと思います。自分の携わったプロジェクトの駅が、「住んでみたい街」のランキング上位に入ることが夢です。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
私は研究室で過ごした3年間がとても充実していました。研究室に泊まって先輩後輩と議論したこと、学会で論文を発表したこと、同期と街づくりコンペに応募したことなど、得難い経験ができました。卒業後も研究室の先生とお会いすることは、自分のプロジェクトを見つめ直す良い機会となっています。自由に使える時間が多い学生生活は貴重です。一つでも夢中になれるものを見つけて、有意義な時間を過ごしてほしいと思います。

ながあらし・ようこ(神奈川出身)

1999年
東京工業大学 第6類 入学
2003年
東京工業大学 工学部社会工学科 卒業
2005年
東京工業大学大学院社会理工学研究科社会工学専攻 修士課程修了
2005年
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本) 入社

※記事の内容は取材当時のものです

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