「数理情報系女子学部生サマーキャンプ2025」を開催
東京科学大学(Science Tokyo)社会連携・DE &I本部DE &I部門は、9月7日から9月9日の3日間、東京大学大学院数理科学研究科、広島大学WPI-SKCM
2、慶應義塾大学理工学部数理科学科、理化学研究所革新知能統合研究センターとともに、三菱HCキャピタル株式会社様のご協賛をいただき、「数理情報系女子学部生サマーキャンプ2025」を東京都八王子市にある大学セミナーハウスで開催しました。昨年度に続き2回目の開催となった今回のキャンプには、全国23大学の数学・情報系の学科から本学の学部生2名を含む女子学部生44名が参加しました。参加者は、同じく全国から集まった19名の大学院生、および、本学の教員2名を含む25名の大学教員・社会人の先輩と共に、プログラムを通してこれからの大学生活やキャリアについて考えました。
このサマーキャンプは、一大学では出会いが限られがちな数理情報系学科の女子学生を対象に、大学の垣根を超えて
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同性・同専攻のロールモデル・先輩・友人と出会う機会を提供すること |
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同性・同専攻の参加者と多様な考え・経験を共有し、新たなネットワークを築くことにより、大学生活に見通しを持ち、安心して過ごせるようにすること |
を目的として開催されています。
昨年度の第一回の開催に際し、「マイノリティである学生にとどく情報は制限されがちである」という声が多く寄せられました。これを受け、プログラムでは、考え・経験等を共有するプログラムに加えて、大学生活の流れやキャリアに関する情報共有を目的とした講演も実施されました。
当日のプログラムとキャンプの様子
SCamp2025タイムテーブル
初日はお昼に集合し、主催団体挨拶やキャンプについての説明、全参加者による自己紹介からキャンプが始まりました。
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| オープニングは東京大学大学院の平地健吾教授によるあいさつ |
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参加者の緊張を和らげるアイスブレイクからキャンプがスタート |
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参加者は、アイスブレイクとしてサイコロを用いたゲームを行い交流を深めた後で、大学生活やキャリアに関する情報提供、大学院生・大学教員・社会人の先輩によるキャリア講演や研究紹介、多様な視点から気になっていることについての情報・アドバイスを得るためのパネルディスカッション、いくつかのテーマについて考えや経験、意見を共有するグループワークなどを通して、大学院進学を含めたキャリアについて考える時間を過ごしました。
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| 講演に真剣に聞き入る参加者 |
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参加者同士が交流する企画を実施 |
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| 大学院生によるポスター発表 |
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グループワークの様子 |
2日目の夜には、先輩や他の参加者と相談したりしながら、それぞれが数学・情報分野についての現在の興味やキャンプを通して考えたこれからのキャリアについてまとめたポスターを作成し、最終日の午前中に、まとめたポスターについての発表を行いました。多くの参加者が自信を持って発表する様子が印象的で、キャンプを通して将来について見通しをもつ良い機会となったようでした。
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| 参加者によるポスター発表 |
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自身がまとめた考えを発表する参加者 |
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数学・情報系学科では、大学院生にとっても同性・同専攻の出会いは制限されがちです。キャンプへの参加は、学部生だけでなく、大学院生にとっても、大学や世代の垣根を超えた交流の機会となったようでした。
| あいさつをする本学社会連携・DE&I本部の野村淳子マネジメント教授 |
参加者からの声
キャンプ終了後に実施した参加者アンケートに寄せられた学部生の声の一部を紹介します。
(大学院進学・キャリアについて)
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大学院はもっと学びたい人なら誰でも目指してよい場所だと知った。 |
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教員や企業に就職する場合でも有利になると聞いて行ってみたいと思った。 |
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キャンプを通して女性の大学院生に多く出会い、進学に対して勇気づけられた。 |
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数学を学んだ後のキャリアは教員やアクチュアリーなどいくつかの業界に限定されてしまうと思っていたが、学んだ知識や学修、研究を通して得た力を活かせる業界が多くあることがわかり、キャリアのイメージが広がった。 |
(キャンプ全体について)
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参加したことで大学での勉強のやる気が上がり、自分の人生への考えも明確にすることができた。 |
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大学院生のポスター発表をもっと長く聞きたかった。 |
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いろいろな方のお話をきけたおかげで、今までにない考え方や視点が得られ、相談にも親身にのってくれて有意義な時間を過ごせた。これからも大学生活を充実したものにしていきたい。 |
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大学では女性が少ない環境にいるためキャンプでの環境は新鮮だった。同じ思いをしている人が自分だけではないと知ることができモチベーションが上がった。 |
大学院生・大学教員・社会人からは、「普段なかなか聞く機会のない、学生が大学生活や将来について考えていることや感じている不安を知ることができてよかった」、「たくさんの人の経験談が自身にとっても参考になった」といった声が寄せられました。「イベント開催数や情報面で首都圏と比べて格差のある地方の学生も多く参加していてよかった」、「女子学生だけでなく地方の学生にも同様の機会があるとよい」というコメントもありました。
今後の展望
今回のキャンプでは、多くの大学、企業、研究機関のご協力により、一大学内では実現が難しい、女子学生とロールモデルとの交流・相談の機会を提供することができました。東京科学大学(Science Tokyo)理学院数学系からも教員2名、学生1名が参加し、運営面でも開催をサポートしました。今回の開催にあたり、ご支援・ご協力をいただいた多くの皆様に心より感謝申し上げます。東京科学大学理学院数学系では、今後も一人ひとりの学生が安心して学び、成長できる環境づくりを推進していきます。
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