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大岡山談話会: 吉川 翔 氏

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日程
2023年5月31日(水)
時間
15:00~16:00
場所
本館2階 H201セミナー室
講師
吉川 翔 氏(東京工業大学)
お問い合わせ先
東京工業大学理学院数学事務室 
jimu[at]math.titech.ac.jp  ([at]は半角@に置き換えてください。)
講演タイトル
混標数の代数幾何学
Abstract
体上の代数幾何学
 代数幾何学とは,代数多様体と呼ばれる幾何的対象を考察する分野である.代数多様体と は,局所的に多項式の零点集合として記述される図形のことである.最も典型的な代数多様 体のクラスは複素代数多様体であり,複素数係数の多項式の零点で記述されるものである. そこにある種のコンパクト性を課すことにより,コンパクトな複素多様体との対応が知ら れており,複素多様体論と深い関係にある.
 また,代数幾何学では複素数体以外の体(多くの場合代数閉体)上の多様体も扱うことが できる.体の標数が0 の場合は複素数体の場合と幾何的現象がそこまで変わらないことが 知られている.⼀⽅で,体の標数が正の場合は標数が0 のときには発⽣しなかった特殊な 現象が観察されている.それは「正標数の病理的現象」と呼ばれ,正標数の代数幾何学の研 究対象の⼀つとなっている.

混標数の代数幾何学
 近年の代数幾何学では,体上の代数多様体に限らず,例えば整数環上の代数多様体の研究 が発展してきている.整数環上の代数多様体を図形として解釈するのは難しい.⼀つの解釈 としては,素数全体と0 からなる集合によってパラメータ付けられた多様体の族と考える ものがある.このとき,素数pのファイバーには標数pの体上定義された代数多様体が,0 のファイバーには標数0 の体上定義された代数多様体が現れている.この解釈からは,混 標数の代数多様体を考察することで,正標数の代数多様体の性質と標数0 の代数多様体の 性質の関係がわかるのではないかと期待されている.
 この講演では,混標数の代数幾何学とはなにかを説明し,その最近の発展と応⽤について 説明する.

更新日:2023.05.18

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