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【ハイブリッド開催】東工大 複素解析セミナー: 金道 友里 氏

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日程
2023年3月3日(金)
時間
10:00~11:30
場所
本館2階H213セミナー室+ZOOMによるハイブリッド開催です。
講師
金道 友里 氏(京都産業大学)
講演タイトル
双曲幾何学における作図問題及び理想双曲四辺形の研究
講演要旨
 Euclidean geometry において,作図問題は古くから問題とされてきた.本講演では同様に Hyperbolic geometry での作図問題を考察する.双曲幾何学における Hyperbolic segment の中点のコンパスと定規による作図法が論文 [1] :Matti Vuorinen and Gendi Wang, Bisection of geodesic segments in hyperbolic geometry (Complex Analysis and Dynamical Systems V, Contemp. Math. 591, Amer. Math. Soc., Providence, R1, 2013, 273-290) で C 内の上半平面 H2 及び単位円板 B2 において独立に示されている.‘‘独立に’’というのは,まず H2 での作図法を導き,そのことは忘れて一からまた B2 での別の作図法を導いたということである.しかし,H2 と B2 は ϕ(H2)=B2 となる ϕ∈Mob(C) によって等しい関係にあるので H2 での作図法が B2 で適用され, B2 での作図法が H2 で適用されるのではないかと考えられるが,[1]では,Euclidean geometry 上の制限からこのようなことができないと述べられていた.本論文では,これが可能であることを示し,さらに, B2 及び,H2 での Hyperbolic segment の中点のコンパスと定規による新しい作図法も得た.また,このように得られた点が中点であることを独立に証明した.そしてさらに,[1]の B2 での Hyperbolic segment の中点の作図において重要な働きをする Lemma 4.6 の (2) の別証明も与えた.
 また,京都大学の松田凌氏との共同研究で Euclidean geometry と Hyperbolic geometry の作図可能性における違いについて考察し,Euclidean geometry では作図不可能であり,Hyperbolic geometry では作図可能なものの存在を示した.
 そして,作図問題とは別に理想双曲四辺形の双曲幾何を考察し,論文 [2] :Matti Vuorinen and Genji Wang,Hyperbolic lambert quadrilaterals and quasiconformal mappings (Ann. Acad. Sci. Fenn. Math. 38 (2013),433-453) のこれに関する結果の簡単な証明を与えた. 計算のアイデアは志賀先生によるものである.

更新日:2023.02.14

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