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トポロジーセミナー: 見村万佐人氏

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日程
2016年6月29日(水)
時間
15:30〜17:00
場所
西8号館W1101セミナー室
講師
見村 万佐人 (東北大学)
講演タイトル
Strong algebraization of fixed point properties
アブストラクト

バナッハ空間(ないしは族)を固定したとき、有限生成群のそれ上の等長作用が常に大域的固定点を持つ、という性質を固定点性質と呼ぶ。ヒルベルト空間全体のなす族を考えたときの固定点性質は、「Kazhdan の性質(T)」と呼ばれる群の剛性と同値であることが知られている。

離散群の線型表現の分類は連続群と違い、群が少しでも複雑になると手に負えない。これが原因で、離散群の固定点性質を直接示すことは当面の間著しく困難であった。Y. Shalomは1999年の論文(Publ. IHES)で、固定点性質を部分群に分けて、最後に“パッチワーク”する、という手法を応用し、上の困難に対し初のブレイクスルーをもたらした。しかし、Shalomのパッチワーク戦略では群の部分群による「有界生成(Bounded Generation)」という厄介な要請が本質的であって(後述するように実はこれは正しくないが、長年そう信じられていたように講演者には思われる)、この要請がShalomの手法を適用する際の致命的な弱点となっていた。

今回、講演者はShalomのパッチワーク(1999, 2006)を強化して、「有界生成」条件を舞台から追いやることに成功した。講演者の条件は、部分群たちを広げていくある“ゲーム”の必勝戦略として記述される。講演ではこの“ゲーム”の内容・証明のあらすじをお話したい。講演者の結果により、「有界生成」がパッチワーク戦略の本質ではないことが明らかになった。これにより、いろいろな離散群が強い固定点性質を持つことが、非常にコンセプチュアルに示せるようになった。こうした応用面についても概観したい。バナッハ空間(ないしは族)を固定したとき、有限生成群のそれ上の等長作用が常に大域的固定点を持つ、という性質を固定点性質と呼ぶ。ヒルベルト空間全体のなす族を考えたときの固定点性質は、「Kazhdanの性質(T)」と呼ばれる群の剛性と同値であることが知られている。

更新日:2016.05.30

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