未来

科学的手法と情熱で、共感を生む戦略を

三井化学株式会社
経営企画部

児玉 洋一 さん

児玉 洋一さん

現在の仕事について教えてください。
総合化学メーカーで全社経営戦略を立案する仕事に携わっています。総合化学メーカーでは川上の基礎原料から川中の生産財、川下の消費財に至る様々な化学品の事業群をグローバルに展開しています。各事業は化学という共通技術に立脚しているものの、用途に応じて市場が多岐にわたる事業ポートフォリオを、内外経営環境の将来予想や市場のアンメットニーズに対応して、中長期でマネジメントする戦略・計画を練ることにやりがいと責任を感じています。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
科学哲学・社会科学・経営学に関するゼミを通じて理解した科学的方法は物事を論理的に考える基本として役立っています。また、対話式・グループワーク式の授業では活発な討論が行われ、教員や学生仲間の多様な視点を肌で感じることができ、さらに、自分自身のいまの仕事で問題意識として持っていた内容を研究テーマに設定したことで、仕事に直結する示唆を得ることができました。これらの経験は、部分最適ではなく全体最適が求められる全社経営戦略を立案する際の基盤となっています。蛇足ですが、学会での研究発表を目的に訪れたウィーンやケープタウンは、仕事の関係ではなかなか行くことのできない場所で、見聞が広がった楽しい思い出です。
今後の目標を教えてください。
経営戦略は実行してはじめて顧客価値創出・社会貢献につながります。「之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」と論語の一節にありますが、どんなに論理的に腹落ちする戦略でも、それを実行する各人・組織に熱意がなければ大きな成果につながりません。自分だけでなく組織的に共感・熱中できる戦略を立案し、それを実現するために具体的な行動に移していきたいと考えています。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
東工大は「卓越した専門性」と「リーダーシップ」を併せ持つ人材育成方針に共鳴した理工系人材が集まる学びの場だと言えます。また、私が所属していた大学院イノベーションマネジメント研究科は、社会人学生が多く、日中の仕事に関する意見交換はもとより、実際の仕事上の人的ネットワークも作れる実践的な場でもありました。熱い想いを持った皆さんのこの場への参画と活躍を期待しています。

こだま・よういち(東京都出身)

1999年
三井化学株式会社(現在まで)
2008年
東京工業大学 大学院イノベーションマネジメント研究科イノベーション専攻
博士後期課程入学
2012年
東京工業大学 大学院イノベーションマネジメント研究科イノベーション専攻
博士後期課程修了 博士(技術経営)学位取得

※記事の内容は取材当時のものです

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