材料系 News

松石研究室 ―研究室紹介 #40―

アニオンの化学による新物質・新電子機能探索

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2017.01.20

材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、固体化学をベースに超伝導体をはじめとする新規電子機能材料の探索・合成を行う、松石研究室です。

教授 松石聡

無機材料分野
材料コース
研究室:すずかけ台キャンパス・S8棟501号室
教授 松石聡

研究分野 無機固体化学 / 超伝導体探索 / 光・電子物性
キーワード 超伝導体、混合アニオン化合物、水素化物、エレクトライド
Webサイト 松石研究室別窓
松石聡 - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓

はじめに

近年、測定や解析方法の発展により、機能性材料の電子構造が明らかになると同時に、量子化学計算によって、材料を構成する物質の電子構造と物性を高精度に予測することが可能になってきました。将来的には、欲しい機能から出発して、それを実現しうる電子構造をデザインし、さらに、それを内包する結晶構造を探すといった形で新しい機能性物質が見つけられるようになるともいわれています。しかしながら、将来の持続可能社会の実現のための材料には、その機能性だけでなく、環境負荷が小さく豊富な元素から構成されているなどの様々な要求があり、それらを満たすには既成の概念にとらわれず、結晶構造と元素の組み合わせる新しいマテリアルデザインが必要です。

変わり種のアニオンを操る

金属酸化物などのイオン性固体をターゲットとして機能性物質を探索する場合、その構成元素のうち、陽イオン(カチオン)になりやすい金属元素の働きが重視されます。例えば多くの超伝導体や磁性体であれば遷移金属のd軌道が、透明電子伝導体であればインジウムとスズなどが重金属のs軌道が重要な役割を果たしています。一方、陰イオン(アニオン)となる酸素などの典型元素は陽イオンに配位しているだけで、何もしていないように見えます。しかし、カチオンに配位するアニオンの種類を変えたり、多種にすると、多彩な結合状態や結晶構造をつくることが可能になり、元素の隠された性質を引き出すことができます。

そこで、私たちの研究グループでは水素などの通常ではカチオンになりやすい元素がアニオンとなっている物質、空隙に捕捉された電子がアニオンとして振る舞う物質(エレクトライド)および混合アニオン系物質に注目し、超伝導体や新奇の電子伝導体・磁性体など固体中の電子の動きを利用した、新機能の探索を行っています。

研究テーマについて

現代的な材料研究では、化学的知見に基づいてうち立てた設計指針に、量子化学計算を用いて肉付けしていくことが重要です。ドーピングの効果など、設計の妥当性を調べた上で、実際の合成を行います。所望の組成に調整した原料を反応させることで、多結晶体および単結晶試料を合成しますが、通常の条件では狙った物質が合成できるとは限りません。そこで、原料を試料セル内に閉じ込めたうえで、合成に有利な高温・高圧状態にする高圧合成法を利用します。合成した試料に対して構造解析や基礎物性の評価を行うと同時に、酸素や水素といった軽元素も含めた組成分析も行います。さらに各種分光学的手法を駆使することで合成した試料の電子状態を明らかすることを目的に研究を行っています。

研究体制

本研究室は平成24年10月に発足した元素戦略研究センターに設置された研究室です。文部科学省 元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>(期間:2012~2021)のもと、応用セラミックス研究所の細野・平松研究室と連携して研究を行なっています。

研究体制

材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

教授 松石聡
E-mail : matsuishi.s.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5190

※この内容は2016年4月発行の材料系 無機材料分野パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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