材料系 News

北野研究室―研究室紹介 #16―

豊富な元素を駆使した環境低負荷な触媒プロセスを構築

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2016.10.21

材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、豊富な元素を駆使した環境低負荷な触媒プロセスを構築する、北野研究室です。

准教授 北野政明

無機材料分野
材料コース
研究室:すずかけ台キャンパス・S8棟401号室
准教授 北野政明

研究分野 電子化物触媒 / アンモニア合成 / 水素エネルギー / 無機材料
キーワード 担持金属触媒、アンモニア合成、酸塩基、電子化物材料
Webサイト 北野研究室別窓
北野政明 - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓

研究目的

地殻に存在する割合が少ないPt、Au、Pdなどの貴金属は、レアメタルとして分類されています。これらの金属は、優れた性能を示す触媒となり、自動車の排気ガス浄化などで実用的に使用されています。しかし、希少な鉱物資源を持たない我が国では、希少元素の使用量をできるだけ減少させた新技術の開発が必須の課題となっています。我々は、地球上に豊富に存在する元素を駆使して新機能物質を生みだし、環境調和型触媒プロセスを構築するための研究を行っています。

研究テーマ

安定な分子を解離できる電子化物触媒

安定な分子を解離できる電子化物触媒

[Ca24Al28O64]4+(e-)4は、安定な無機の電子化物(エレクトライド)として初めて見いだされたものであり、地球上に豊富に存在する元素(Ca、Al、O)のみで構成されています。この材料は、表面に吸着した物質に対して電子を与えやすい性質を有しています。この電子化物材料に直径数nmのRuナノ粒子を乗せたものを触媒として用いると、安定な窒素分子を解離することが可能となり、従来の触媒を遙かにしのぐ性能でアンモニアを合成できることを見出しました(Nature Chem. 2012, 4, 934.)。アンモニアは、容易に液化できるため、液化による貯蔵が難しい水素エネルギーの貯蔵材料として注目されており、低エネルギーでの合成プロセスが求められております。我々の成果は、アンモニアの低エネルギー合成の有望な方法として注目されています。

我々のグループでは、ユニークな物性を持つエレクトライドを利用した様々な有用化学反応を検討しており、また、[Ca24Al28O64]4+(e-)4以外にも革新的なエレクトライド触媒を開発しています 。

室温でも機能するナノチューブ型触媒

室温でも機能するナノチューブ型触媒

チタンは地球上に豊富に存在する元素であり、チタン酸化物は、安定で安価な材料であることが知られています。チタン酸ナノチューブは、直径約5 nm程度の一次元細孔構造を有した層状チタン酸化合物であり、光触媒、触媒担体、色素増感太陽電池などに応用されてきました。我々は、このチタン酸ナノチューブが炭素-炭素結合形成反応であるFriedel-Craftsアルキル化反応を室温でも進行させる優れた固体酸触媒であることを初めて見出しました(J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 6622.) 。

当研究室について

当研究室は、基礎物理・材料化学・計算科学・触媒化学の協働により、新しい材料化学を構築することを目的とした元素戦略研究センター内に所属しています。同センター内にいる様々な分野のグループと合同でのゼミを行ったり、異分野間のディスカッションが自由にできる環境となっています。また、センター内にある装置は共通で使用できるため、あらゆる材料の分析、解析が可能です。研究テーマに関しても、上記の内容以外にも、新しいことにどんどんチャレンジしていくことを大切にしていますので、意欲のある方をお待ちしています。

材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

准教授 北野政明
E-mail : kitano.m.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 045-924-5191

※この内容は2016年4月発行の材料系 無機材料分野パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

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