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東工大とNIMSが物質・材料分野における博士後期課程の教育・研究で強力に連携

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2024.01.29

東京工業大学とNIMS(国立研究開発法人物質・材料研究機構)は、物質・材料分野における次世代を担う研究人材の育成を目指して、博士後期課程の教育・研究で強力に連携することを定めた協定書を締結しました。東工大の益一哉学長とNIMSの宝野和博理事長による協定書調印は、2024年1月11日に東工大大岡山キャンパスにて行われました。

益学長(左)とNIMSの宝野理事長(右)

益学長(左)とNIMSの宝野理事長(右)

本協定では、NIMSの研究者が東工大物質理工学院の連携特定教員として、副指導教員となる物質理工学院の教員とともに、博士後期課程入学から学位取得まで東工大の学生を主任指導します。また、本協定を通じてNIMSで研究を行う博士後期課程の学生は、NIMSの研究業務にも貢献するため、「NIMSジュニア研究員制度[用語1]」に基づきNIMSが雇用します。

日本の科学技術研究開発力の低下を懸念する声が高まる中、次世代を担う研究人材の育成と確保は国家レベルの急務です。しかし、国内大学における博士後期課程進学者の数は2003年以降減少傾向にあり、日本における博士号取得者の数は、日本よりも総人口の少ない国であるドイツや英国における半分程度と低迷しているのが現状です。

以上の背景から、東工大とNIMSは、物質・材料分野における教育と研究で強力に連携し、新協定のもと、東工大—NIMS連携大学院制度[用語2]を発足させます。そして、本制度を活用して東工大に入学する博士後期課程学生はNIMSジュニア研究員としてNIMSにおける研究経験を積みながら学位取得を目指します。これにより、日本が国際的に競争力を維持している材料科学分野の博士後期課程研究を活性化し、世界基準の次世代研究人材育成を目指します。

  • 用語説明

[用語1] NIMSジュニア研究員制度 : NIMSで学位取得のための研究を行う大学院生を任期制職員として雇用する制度です。物質・材料科学分野の研究者を目指す大学院生を「NIMSジュニア研究員」として採用し、NIMSでの研究業務への貢献に対して給与を支払います。学生の学業に対しての支給ではありませんが、大学院生の場合、学位取得のための研究課題とNIMSの研究業務に整合性があるため、NIMSジュニア研究員は、NIMSでの活動によって経済的な心配なく学位取得のための研究に専念できます。

[用語2] NIMS連携大学院制度 : NIMSは、世界最高レベルの設備を駆使した物質・材料研究のみならず、その研究活動を通じて次世代研究人材の育成に力を入れています。その一環として、2004年には近隣の筑波大学と協定を締結し、全国初となる「NIMS研究者が主任指導教員として博士課程学生を指導する」制度を発足させました。その後、北海道大学、九州大学、早稲田大学、大阪大学、横浜国立大学の、5つの大学とも同様の連携を立ち上げ、これらを併せてNIMS連携大学院制度と呼んでいます。さらには、学位取得を目指す若手人材が博士研究に没頭できるよう、NIMSジュニア研究員制度を始めとする就学支援体制を併せて整備してきました。これによって、国内外から多くの学生が集う国際色豊かなNIMS連携大学院が、各大学における博士課程の一部として有効に機能し、2004年以来、合計560名の学生がNIMSでの博士研究に従事し、各大学の学位を取得しています。この度の、東工大との連携により、NIMS連携大学院の協定校は7校となります。

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お問い合わせ先
本協定書による教育・研究に関すること

東京工業大学 物質理工学院 材料系

教授 生駒俊之

Email tikoma@ceram.titech.ac.jp
Tel 03-5734-2519

NIMS 国際・広報部門 学術連携室

Email nims-graduate@nims.go.jp
Tel 029-859-2204

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