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大隅良典栄誉教授 ノーベル生理学・医学賞受賞記者会見を開催

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2016.10.07

大隅良典東京工業大学栄誉教授が10月3日、「オートファジーの仕組みの解明」に寄与したとしてノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

同日18時30分頃に行われたノーベル財団による発表時には、大隅研究室に大隅栄誉教授と研究室メンバーや報道陣が集い、賞の行方をカウントダウンしながら見守り、受賞が決定した瞬間にはこの栄えある賞を得た喜びを皆で分かち合いました。

受賞決定後、すずかけ台キャンパスから大岡山キャンパスに到着し、花束を受ける大隅栄誉教授

受賞決定後、すずかけ台キャンパスから大岡山キャンパスに到着し、花束を受ける大隅栄誉教授

受賞決定後、すずかけ台キャンパスから大岡山キャンパスに到着し、花束を受ける大隅栄誉教授

記者会見中、安倍総理大臣から祝電を受ける大隅栄誉教授

記者会見中、安倍総理大臣から祝電を受ける大隅栄誉教授

これを受けて、東京工業大学は、同日20時頃から大岡山キャンパス百年記念館フェライト会議室にて三島良直学長、安藤真理事・副学長(研究担当)同席のもと大隅栄誉教授のノーベル賞受賞記者会見を開催しました。

会場には200名近い報道陣が集まり、大隅栄誉教授の喜びの声とオートファジー研究の概要等について1時間程度にわたり会見が行われました。

受賞決定当日の記者会見の様子

受賞決定当日の記者会見の様子

大隅栄誉教授 記者会見冒頭の受賞コメント

受賞の喜びを語る大隅栄誉教授

受賞の喜びを語る大隅栄誉教授

本日、夕刻にノーベル委員会から受賞のお知らせをいただきました。もちろん研究者としてはこの上もなく名誉なことだと思っております。この数年思いもかけずいろんな賞をいただくことになりましたけれども、ノーベル賞には格別の重さを感じております。ノーベル賞、私は少年時代にはまさしく夢だったように記憶しておりますが、実際に研究生活に入ってからは、ノーベル賞は私の意識の全く外にありました。

私は自分の知的な興味に基づいて、生命の基本単位である細胞がいかに動的な存在であるかということに興味を持って、酵母という小さい細胞に長年いくつかの問いをしてまいりました。私は人がやらないことをやろうという思いから、酵母の液胞の研究を始めました。

三島学長、安藤理事・副学長の横で

三島学長、安藤理事・副学長の横で

1988年、今から27年半ほど前に液胞が実際に細胞の中での分解に果たす役割に興味をもちまして、東大の教養学部の私自身たった一人の研究室に移ったときに始める機会があり、それ以降28年にわたりオートファジーという研究をしてきました。オートファジーという言葉は耳慣れないかと思いますが、酵母が実際に飢餓に陥ると自分自身のたんぱく質の分解を始めます。その現象を光学顕微鏡で捉えることが出来たということが私の研究の出発点になりました。馬場美鈴さんが電子顕微鏡でその過程を解析することで、実はそれがそれまで知られていた動物細胞のオートファジーという現象とまったく同一の過程であることがわかりました。酵母は遺伝学的な解析にとってもすぐれた生物なので、早速私たちはオートファジーに必須の遺伝子を探すことを始めました。幸いこれも大学院生として所属していた塚田美樹さんの努力で、わりに短時間でたくさんのオートファジーに必須の複数の遺伝子をとることが出来ました。それらの遺伝子は実はオートファジーの膜現象に必須の装置であるということが私たちの解析で分かりました。幸いこれらの遺伝子は酵母のみならず、人とか植物細胞にも広く保存されているということが分かりました。こうしてオートファジーの遺伝子が同定されたことでこれまでのオートファジー研究の質が大きく変換をすることになりました。その後は様々な細胞でオートファジーがどのような機能をしているかということが世界中のたくさんの研究者によって解析され、今日に至っています。

受賞の喜びを語る大隅栄誉教授

私はずっと酵母という材料でオートファジーの研究をしてまいりました。酵母を使った基礎的な研究が今日のオートファジーの研究のきっかけになったということであれば、私は基礎生物学者としてこの上もない幸せなことだと思っております。もちろん現代生物学は一人でやりおおせるものではありません。この28年間、私の研究室でたゆまぬ努力をしてくれた大学院生、ポスドク、スタッフの方々の努力のたまものだと思っております。それから、酵母から動物細胞のオートファジーへと転換してくれました水島昇、吉森保両氏にも、今現在の動物細胞におけるオートファジー研究で世界を牽引している二人とも、今日の栄誉を分かち合いたいと思っております。オートファジーというたんぱく質の分解は細胞が持っているものすごく基本的な性質なので、今後ますますいろんな現象に関わってくることが明らかになってくるのを私も期待しております。

一つだけ強調しておきたいのは、私がこの研究を始めた時に、オートファジーが必ずがんにつながる、人間寿命の問題につながると確信して始めたわけではありません。基礎研究はそういう風に展開していくものだとぜひ理解していただきたいと思います。基礎科学の重要性をもう一度強調しておきたいと思っております。

これまで私に研究の場を与えてくれた東大教養学部、理学部、基礎生物学研究所、東京工業大学には厚く御礼申し上げます。これまでの研究のほとんどが文科省の科研費によって支えられたことにも感謝したいと思います。この間、私の研究を支えていただいた2人の恩師、この5月に亡くなられた今堀和友先生、安楽泰宏先生にも感謝の意を申し上げます。戦後の非常に大変な時代から常に私を温かく見守ってくれた両親にまず報告したいと思います。私の家族、とりわけ折に触れて私を支えてくれた妻、萬里子に深く感謝したいと思います。

学長 記者会見冒頭のご挨拶

大隅栄誉教授の受賞を称える三島学長

大隅栄誉教授の受賞を称える三島学長

本日は多数お集まりいただき、ありがとうございます。私どもも本当にうれしく思いますし、今回の大隅先生の受賞は大学にとっても大きな誇りでございます。先生の研究に臨む姿勢につきましては何度も伺ったことがございますけれども、基礎研究に真摯に、そして人がやったことがないことをやるんだ、そしてそれをしっかりと止めることなく続けてこういう成果に繋がったんだろうというふうに思って、私も感動している次第です。このような本当の基礎研究、これから人類のために役に立っていくであろうこうした基礎研究の成果がこういう賞をお取りになられたということで私も大変嬉しく思いますし、改めて大変名誉に思うというところでございます。大隅先生、おめでとうございました。

また、翌日は11時からすずかけ台キャンパス大学会館3階多目的ホールにて、萬里子夫人、三島学長同席のもと、2回目の記者会見を行いました。会場には大隅研究室メンバーを含む多くの学生・教職員や30名程度の報道陣など350名が集まり、約1時間にわたって開催されました。

受賞翌日、萬里子夫人と臨んだ記者会見

受賞翌日、萬里子夫人と臨んだ記者会見

萬里子夫人と

萬里子夫人と

萬里子夫人と

東工大関係者のノーベル賞受賞者は、2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹先生(本学卒業生)、そして今回の大隅栄誉教授の受賞により2名となりました。

東工大は、今年度新たに発足した科学技術創成研究院を筆頭に、世界トップレベルの研究を引き続き発展させていきます。

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