未来

仕事と研究、刺激しあうことで豊かな建築を

株式会社長谷川豪建築設計事務所
代表

長谷川 豪 さん

長谷川 豪さん

現在の仕事について教えてください。
設計事務所の代表を務めていて、いまは国内外で住宅、集合住宅、オフィス、ギャラリー、展望台などさまざまな建築を設計しています。設計が面白いのは毎回新しい場所を訪れて、初めて出会う人たちと一緒につくりあげていくところです。場所も人も毎回違うからもちろん出来上がる建築も違うものになります。設計者の仕事はアイデアを図面にすることだと思われがちですが、実際にはクライアント、協力事務所、施工者など、多くの人たちとの話し合いと調整を繰り返してなんとかカタチになります。時間がかかるし困難も多いですが、最終的にプロセスを共有した人たちに「良い建築ができたね」と言ってもらえたときに大きな達成感を感じます。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
修士課程では建築学専攻の塚本研究室に所属し、設計コンペの参加、都市のリサーチ、展覧会、出版などさまざまなプロジェクトに参加させてもらいました。自分たちが提案するものに周りからどういう反応があるだろうか、という心地よい緊張感のある環境に身を置いて、未熟なりにジタバタともがくなかで多くのことを学びましたし、そうした経験がその後の設計活動の基礎になったと思います。また社会に出て10年経ってから博士後期課程に戻り、今年の春に博士号を取得しました。社会ではどうしても実務に追われがちなので、博士後期課程で好きなことを研究する時間はとても贅沢で、研究を通して自分の設計活動を客観視する貴重な機会にもなりました。
今後の目標を教えてください。
設計活動としては引き続きさまざまな用途や規模のプロジェクトに挑戦しながら、自分の建築を探求していきたいと思います。それに並行して研究や教育活動なども続けて、設計と研究が相互に刺激を与え合うような環境をつくりたいですね。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
特に10代の頃は、自分になにが向いているか、なにがしたいのか、という漠然とした悩みを抱える時期だと思いますが、実際には最初から夢中になれることが見つかるなんてほとんどなくて、ちょっとした興味を掘り下げていく過程で自分なりに専門分野の魅力を見つけていくものなのだと思います。東工大は研究に没頭できるとても良い環境と素晴らしい仲間との出会いがあり、興味を深り下げるには最高の場所だと思います。

はせがわ・ごう(埼玉県出身)

1996年
東京工業大学 第6類 入学
2000年
東京工業大学 工学部建築学科 卒業
2002年
東京工業大学 大学院理工学研究科建築学専攻 修士課程修了
2002-2004年
西沢大良建築設計事務所 勤務
2005年
長谷川豪建築設計事務所設立、現在同代表
東京工業大学非常勤講師、スイス・メンドリジオ建築アカデミー客員教授、
ノルウェー・オスロ建築大学客員教授を歴任
2015年
東京工業大学 大学院理工学研究科建築学専攻 博士後期課程修了・博士(工学)学位取得

※記事の内容は取材当時のものです

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